2019年9月26日~30日までの4泊5日で行った、北海道道東・釧路~知床旅行の2日目の記事です。
知床ネイチャーオフィスというツアー会社の自然体験1日コースに参加しました。
午前中は知床五湖を散策し、午後は海岸側の原生林を散策するという内容。
知床五湖の綺麗な景色を楽しんだり、自然が豊かな原生林で野生動物を探索したりと、とても楽しい内容のツアーです。
ガイドさんも知識豊富なベテランで、とても興味深いためになる話を聞けるのも良い点。
知床に行ったら、その自然を思う存分堪能できるこのツアーに参加してみるのも良いですよ!
この記事ではこのツアーで見ることが出来た景色の写真や動物の写真を交えながら、ツアーの内容を紹介していきます。
知床自然体験1日コースの内容
知床ネイチャーオフィスの知床自然体験1日コースのツアーの流れは以下のような感じです。
- 8時30分に宿泊しているホテルにガイドが迎えに来る(泊っているホテルで時間は前後する)
- 9時10分くらいから10分程度の講習を受けて知床五湖散策
- 12時30分道の駅周辺に送ってもらい1時間程度ランチ休憩
- 14時前くらいから原生林散策
- 16時30分で散策終了。宿泊しているホテルまで送ってもらい解散
時間はその時々で多少変わると思います。
今回、僕たち夫婦の他に7名の方が一緒でした。
そのうち1日コースの人は、僕たち含め4名。
その他の人たちは、午前中の知床五湖散策のみの参加でした。
自分が使える時間で、午前だけとか1日とかコースが選べるのが良いですね。
料金の支払いは現金のみで、ツアーが終わった時に支払います。
午前中の知床五湖散策は、1周3.0kmの大ループを約3時間かけて歩きます。
普通に歩くと1時間半くらいで歩ける距離なんだけど、いろいろ説明を聞きながら歩くのでそれくらいの時間がかかるのね。
ヒグマの痕跡を探したり、湖の綺麗な景色を写真に撮ったりしながら散策していきます。
午後の原生林散策では、手つかずの原生林をリスや野鳥などの野生動物を探しながら散策します。
原生林は野生動物との遭遇率も高く、野生動物が好きな人はすごく楽しいと思う。
ただ野生なので、こちらの都合は全く関係ない(笑)
運が悪いと、まったく遭遇しないということもあるので、その点は念頭に置いて参加した方が良いです。
とても内容の濃いツアーで、僕たち夫婦も参加して良かったと大満足でした!
知床五湖ハイキング【午前】
午前中の知床五湖散策についてです。
知床五湖の散策路は上の地図のように分かれています。
大きく分けて3つね。
- 大ループ(1周3.0km、所要時間90分)
- 小ループ(1周1.6km、所要時間40分)
- 高架木道(往復1.6km、所要時間40分)
地図を見てわかる通り、大ループなら知床五湖すべて見ることが出来ます。
小ループだと一湖と二湖のみね。
高架木道だと一湖のみです。
高架木道だけを散策するのであれば、シーズン通して無料で散策することが出来ます。
講習について
大ループや小ループの地上遊歩道を行く場合は、期間によって料金が変わってきます。
期間が「植生保護期」「ヒグマ活動期」「自由利用期」3パターンに分かれています。
僕が行った時期は、「植生保護期」に入っていて、地上遊歩道を散策するには講習を受ける必要があります。
受講料は250円なんですが、これはツアー代金に含まれていました。
ガイドツアーに参加せずに個人で散策する人は、250円を払って講習を受けてから散策路に入るという流れになっています。
10月21日からは、「自由利用期」となって、講習を受けないで無料で散策が可能になります。
ヒグマとの遭遇確率が低くなるからですね。
そしてヒグマ活動期は、ヒグマが地上遊歩道の方に頻繁に現れるので、ガイドさんと一緒じゃないと歩くことが出来ません。
料金は参加するガイドツアーによって多少異なると思いますが、概ね5000円程度かな。(知床五湖散策のみの場合)
講習は知床フィールドハウス内で受けます。
ヒグマに遭遇しないために注意することや、ヒグマに遭遇したらどうするかなどをレクチャーしてくれます。
ヒグマをひきつける一つの要因として食べ物があるので、地上遊歩道内に入る際は食べ物は一切持ち込まないというルールがあります。
ガムや飴を口に入れて入るのもダメ。
もし持っている場合は、その匂いが外に漏れないように、ジップロックに入れてカバンに入れるように言われます。
ジップロックはフィールドハウスの方で用意してあります。
そして味や香りのついた飲み物もNG。
地上遊歩道を散策する際は、水かお茶を用意しておきましょう。
何しろ人間の食べ物はヒグマさんには美味しそうな匂いがしちゃうので、寄って来ちゃうそうです。
先日テレビのニュースで、知床の観光客がヒグマにパンを投げている映像があったんですが、あんなの論外ね。
ヒグマが人間の食べ物の美味しさを覚えたら、それを求めて人間に寄ってきてしまいます。
そしてそのヒグマが仮に人間に危害を加えるようなことがあったら、とてもかわいそうな結末が待っているということをしっかり念頭に置かないと。
知床に行くってことは、その多くの人が知床の自然を見に行ったり、自然が好きだったりすると思うので、それを壊すような行為はしないようにしないといけないですね。
レクチャーを受けたら、レクチャーを受ける前に渡される立ち入り認定証を見せることで散策路に入ることが出来ます。
あと余談ですが、ガイドさんがめちゃくちゃ怒っていたことがあります。
サケマス孵化場がある川の河口では鮭が良く釣れて、そこに来る釣り人のマナーがめちゃくちゃ悪いそうです。
ゴミは放置して行くし、釣った鮭をその場で捌いて内蔵放置して行く。
それによって、ヒグマがゴミをあさったりその内臓に寄って来ちゃうんだとか。
すべての釣り人がマナーが悪いとは言わないけど、ルールが守れない人はアウトドアを楽しむ資格ないよね。
幸い今のところ知床ではヒグマによる人への被害は起きてないとのこと。
年に数回威嚇突進を受けるケースはあるみたいだけどね。
でもこのままマナーを守らない観光客が増え続けたら、いずれ何かしらの事件が起きてもおかしくないとガイドさんが言ってました。
知床の綺麗な大自然、観光客もみんなでマナーを守って、保って行きたいですよね。
知床五湖の景色
前置きが長くなりましたが、知床五湖散策で見られる綺麗な景色を紹介していきます。
ぼくが参加したガイドツアーは、大ループを散策します。
五湖から一湖を順に見て行ったので、その順番で紹介していきます。
五湖
この日はとても天気が良く、知床連山も良く見えました。
その山々や周辺の木々が、水面に綺麗に映っています。
知床五湖は、流入する河川が無く湧き水で出来ている湖。
その為、流れが無く水面がとても穏やかなんです。
それでこんなに綺麗な景色が見ることが出来るんですね。
紅葉も始まっていました。
四湖
四湖はさらに綺麗にリフレクションしていました。
ほんと鏡のように映っています。
風もあまりなかったので、このような綺麗なリフレクションの写真が撮れました。
三湖
こちらは三湖です。
五湖や四湖に比べて大きめの湖で、散策路も三湖を取り囲むように造られているため、湖の反対側からの景色も楽しめます。
小さな島があるのが特徴です。
三湖を反対側からみた景色。
こちら側から見ると知床連山も見ることが出来ます。
一番左に見える山は硫黄山です。
二湖
五湖から三湖までは森の中の散策路いくのですが、二湖からは辺りが開けてきます。
水面も相変わらず穏やかで、これまた綺麗なリフレクションの写真が撮れました。
二湖は知床五湖の中で一番大きな湖。
小ループを散策する場合は、この湖から見ることが出来ます。
一湖
こちらは高架木道から見ることが出来る唯一の湖。
レクチャー無しで見ることが出来るので、大型観光バスで来るツアー客もたくさんいます。
ここには高架木道が設置されていて、電柵も施されています。
なので高架木道からだとヒグマが出ても安全に見学が出来る。
ヒグマいないかなぁって探してみるも、僕たちが歩いていた時には現れず。
この高架木道の景色もすごく綺麗ですよね~。
難点としては、日陰がなく天気が良いと暑いということ(笑)
地上遊歩道は森の中なので、木陰になっていて涼しかったんだけど、高架木道は暑かった。。。
高架木道から一湖を望む景色。
一面に広がる笹がまた綺麗。
湖の反対側を見ると、海を望むことも出来ます。
オホーツク海が真っ青で綺麗!!
いろんな景色を楽しむことが出来る散策路でした。
森の中の様子
五湖から三湖辺りまでは森の中の散策路を行きます。
森の中では湖の他にもいろんな光景を目にすることが出来ます。
リスの足跡。
まだ出来たばかりぽかったので、近くにいたのかもしれません。
リスがいるって証拠ですね!
他にも鹿やヒグマなどの足跡も見かけることが出来ました。
倒れた木の根っこ。
この林は原生林で人の手を入れない決まりになっています。
なので、木が倒れてもそのまま。
これが自然そのものの風景ということですね。
原生林を守るために人の手を入れないというのが、知床の自然を守るうえで首を絞めてることもあったようです。
その原因がエゾシカ。
エゾシカの天敵、狼がいなくなったことで、エゾシカがすごく増えてその食害によって森が育たなくなったそうです。
木って、表面側が重要なんだって。
表面がなくなると、栄養分を届けることが出来なくなって枯れちゃうんだそうです。
逆に中をくりぬかれても枯れないだそうです。
で、エゾシカさんはその木の表層部分を食べちゃうんですよねぇ。
この原生林では木を保護するシートも巻いたらいけない決まりになっているので、鹿に食べられるのを指をくわえてみてるだけの状態だったみたい。
若い木も育つ前に食べられちゃうから、森が衰退していったそう。
で、こりゃいかんってことで2012年くらから鹿を間引くということを始めたんだって。
それから、また段々森が復活してきたんだそうです。
可愛い鹿も増えすぎると困ったことになるんですね。
この旅の中でもエゾシカとの遭遇率はとても高かったので、それだけの数がいるってことですよね。
そしてこちらは、ヒグマの爪痕ね。
古いものだそうだけど、はっきりと残っています。
ヒグマがこの爪痕を残して何をしていたかというと、木に登って上の方にある木の実を食べるんだそうです。
この木の側には山ブドウの木があって、その実を食べたみたい。
こちらはちょっとわかりずらいけど、水芭蕉の群生地。
水芭蕉の根っこはヒグマの大好物。
なので、その水芭蕉が旬な時期には、水芭蕉群生地にヒグマが頻繁に現れるそうです。
その時期が、ヒグマ活動期ってやつね。
なのでヒグマ活動期には、ガイドツアーでしか地上遊歩道が入れなくなるってわけです。
よーく見ると、ヒグマが掘ったあとがまだ残っていたりします。
こういうヒグマの痕跡を見ると、ヒグマが本当にいるんだなぁって感じますね。
綺麗な色をしているキノコはタマゴタケ。
キノコもたくさん生えていました。
これはホコリタケ。
成熟すると、胞子をホコリのように飛ばすんだって。
ちなみにここの原生林は保護区域だから、植物採ったらダメですよ(笑)
ドングリが可愛いからって拾っちゃダメね。
木の上には小鳥もたくさんやってきています。
写真はシマエナガ!
ずっと会いたかった鳥です!!
正面からうまく撮れなかったけど、可愛い小鳥でした。
冬にモフっとしたシマエナガも見てみたいなぁ。
知床五湖散策は、湖以外にも見どころがたくさん。
ガイドさんが細かく説明して入れるので、普通に歩くよりも時間がかかるけど、とっても楽しいよ!
1日ツアーに参加する時間がなかったら、午前中の五湖散策だけ参加してみるのも良いと思います。
知床五湖散策が終わった後、ランチをするために道の駅に方に向かったんだけど、その途中ヒグマらしき黒いモフっとしたものが車の前方の方を横切りました。
それを見たのは、僕ともう一人のお客さんだけ。
もちろん、嫁さんは見逃しました(笑)
見かけた場所にすぐさま行ってくれたんだけど、すでにいませんでした
ヒグマっぽいのを見たのは唯一その一回だけでした。
ヒグマって簡単に見ることが出来るんだと思ってたけど、そんなに頻繁に見られるものでもないよいうです。
原生林ハイキング【午後】
お昼休憩をしてから、続いて原生林散策です。
知床自然センターに車を止めて、そこから海岸側の原生林を散策します。
原生林では野生動物の遭遇率も高く、ガイドさんも何かしらの動物とは会えると言っていたので、すごく期待していきました(笑)
散策した時間は約3時間くらい。
特に高低差がある場所を歩くわけじゃないので、体力的にそれほど疲れなかったです。
時折立ち止まりながら、耳を澄まして落ち葉を踏む音などがしないか確認しながら散策します。
最初中々見つからなかったんだけど、ガイドさんがこの子を見つけてくれました!
そう、エゾシマリスです!!
野生のエゾシマリス初めて見た~。
すごく可愛い(笑)
意外と警戒心低め?
こちらの様子をあまり気にせず、必死に気に入るドングリを探していました。
ドングリを持つ手が可愛いですね~。
こちらの動画見てみてください。
ドングリを食べてるんだけど、何かに気づいて「はっ!」って感じでせっかく剥いたドングリ落としちゃう(笑)
仕草が可愛すぎますね!
冬眠の準備のためか、ずーっとドングリを探して歩いてた(笑)
こちらの動画はドングリを食べては次のドングリを探すシマリス。
この森、ドングリがたくさんあるので、リス達も住みやすいんだろうね!
リスを探すには、まずはドングリを探すと良いということがわかりました!
エゾシマリス以外にもエゾリスもいました。
でも、エゾシマリスと違ってエゾリスは警戒心が強くて、全然写真撮らせてくれません。
近づくと木の上に逃げちゃうんですよね。
唯一撮れたのがこちら。
エゾリスがいるって言うのはわかりますよね(笑)
野生ですもんね。
そりゃ、簡単には写真は撮らせてくれない。
ガイドさんが鳥の鳴きまねをすると、小鳥たちが興味を示して寄ってきたりします。
ゴジュウカラです。
ゴジュウカラはたくさん見かけたなぁ。
すごく可愛らしい小鳥ですよね~。
そして少し大きめの鳥で、こんな鳥も。
ミヤマカケスという鳥。
カケスは本州にもいるけど、ミヤマカケスは北海道のみに生息してそうです。
姿を見ることが出来たのは、これくらいですね。
後はクマゲラの鳴き声は聴こえたものの、姿は見えず。
ちなみにこちらはクマゲラが開けたであろう穴。
ちなみにクマゲラは大きなキツツキね。
一目見てみたかったなぁ。
あとエゾライチョウらしき影も見かけたけど、そちらも完全に見ることは出来ませんでした。
でも姿は見えずとも、探すという作業がとても楽しい。
野生動物や野鳥が好きな人は、この原生林散策ツアーもおすすめね。
そして、この原生林散策ツアーの最終目的地は、知床岬を遠望できる断崖絶壁。
この入り組んだ断崖絶壁の地形は知床らしさをすごく表しているんだそう。
というのも、この地形は流氷が侵食して入り組んだ地形になったんだって。
北欧にフィヨルドって大きな入り組んだ海岸があるけど、あれは氷河が侵食して出来たもの。
流氷の侵食で出来た海岸はここだけだそうです。
ガイドさん的には知床五湖よりも、こちらの景色を見て欲しいって感じでした(笑)
そして、ここでガイドさんのビックリ発言。
「あの先の岩にハヤブサが止まってます」って。
はぁ?
どこ??って感じでみんなで探しまくる(笑)
でカメラの望遠で見てやっとわかった。
上の写真に写ってます(笑)
さらに望遠してみると~~~。
こんなもの見えるか~!!
こんなこと、スリランカ行った時もあったなぁ。。。
ガイドさんの目っておかしいよね(笑)
とこんな感じで、終始野生動物を探しながらの散策でした。
ガイドさんが、知床五湖散策よりもこっちの方が楽しいでしょって言ってたけど、確かに楽しかった(笑)
ガイドさんと一緒ならリスや野鳥も見つけやすいしね。
原生林はガイドさんと一緒じゃないと歩けないし参加する価値あるよ。
ツアーの予約
今回のガイドツアーは「知床ネイチャーオフィス」という会社のものに参加しました。
僕が参加した自然体験1日コース以外にも、夜の動物ウォッチングや夜空を見に行くツアーなど面白そうなツアーがあります。
興味のある人は公式ページを見に行ってみてください。
今回、この会社の中でも1番のベテランガイドさんが付いてくれたこともあって、知識も豊富でいろんな話が聞けて良かったです。
料金は1日コースが10000円で、五湖のみの半日コースが5000円です。
ツアーの予約はこちらから。
五湖のみを周りたい人はこちら。
まとめ
以上、知床自然体験1日コースの記事でした。
知床の自然を1日満喫できるコースで、五湖の綺麗な景色も堪能できるし、野生動物探索も楽しめる内容です。
料金は10000円と決して安くはありませんが、知識豊富なガイドさんの話も聞けるし、シマリスと遭遇させてもらったので、お値段以上の満足感が得られました。
次は冬に行って、原生林スノーシュートレッキングに参加してみたい。
2~3月はエゾモモンガに会える可能性もあるんだって!!
ヒグマ活動期や冬も興味があるなぁ(笑)
知床ネイチャーオフィスのツアーは、違う季節にまた参加したいですね。
私と嫁さんが使っているカメラ関連についてはこちらのページでまとめています。
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